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中国ビジネスマナー入門
中国ビジネスマナー入門 その6 2007

最近では、日本人が旅行、出張、駐在などで中国へ行く機会がぐんと増えました。いまや中国は、私たちにとって身近な国であると言えます。けれども、中国人と私たち日本人は見た目は似ているのに、どうしてこんなに違うのか、いったいどう付き合えばよいのかわからない、という声をたびたび耳にします。また、中国人は信じられない、という人もよくあります。

本当のところ、中国人はなにをどう考えているのでしょうか?近くて遠い国、中国なのでしょうか?近くて近い国、中国なのでしょうか?どちらにしても、中国人と上手に付き合っていけるかどうかが、人間関係がものをいう中国でのビジネス成功のひとつの鍵となることは間違いないでしょう。

そこで中国人の思考回路と習慣のナゾに迫るとともに(?)、私自身の経験をベースに、中国人と接するときのマナーを中国人を理解するという姿勢で考えてみました。

※ 2007/03 時点の情報に基づき記しています。

中国ビジネスマナー入門 その6 2007
マナーより大切なもの 縁起のよい数字 カジュアル接待
名刺交換のやり方 握手のやり方 おみやげを手渡すタイミング
支払いはどちら? 手頃な値段で喜ばれるおみやげ選び 割り込みされたら?
同性の外見をストレートにほめる中国人女性? 干支の話題 女性の外見をほめない中国人男性?
 
マナーより大切なもの

おみやげのタブーはなに?名刺交換や握手のやり方は?宴会ではどうしたいいの?言葉が伝わらなかったら?・・・などなど、中国とつき合うに当たっての気がかりは尽きないかもしれません。けれども、マナーという形式にとらわれ過ぎて、がんじがらめになり、失敗を恐れてばかりいては、中国と関わる楽しみが半減してしまうこともまた事実です。

避けなければならないタブーというものはいくつかあるかもしれません。けれども、中国は、決してマナーにうるさい国ではなく、むしろ大らかであるとさえ言えます。たとえ失礼があっても、心をもって通じる国です。ですから、もっと気楽に構えていいような気がします。

例えば、宴会の席で、「私はまだ中国に慣れていませんので、失礼なことを言ってしまうこともあるかもしれません。けれども、私の中国が好きという気持ちは本物です」というように、最初にストレートに伝えてしまうこともアリだと思います。中国語に自信のない場合は、紙に書いたメッセージを、一生懸命読むだけでも好感が持たれると思います。

どこの国の人でも、私たち日本人もそうだ思いますが、外国人がこちらの言葉を一生懸命話そうとすることを感じよく思わない人はないのではないでしょうか。

失敗をしてしまったことが明らかであれば、謝ればいいのです。私たちは、あくまでも外国人なのです。中国人と同様に中国をわかっているはずはありません。よい意味での開き直りも、ときには必要かと思います。

マナーは心に根ざすものですから、国が違ってもベースは同じかと思われます。また、マナーには、これだけが正しい、あるいはオールマイティというものがあるわけではなく、相手の反応を見ながら、失敗をしながら、中国人に確認しながら、たくさんの実践を通して、自分だけのオリジナル・スタンダードを、時間をかけて作り上げていくものだと思います。TPOに応じてよりふさわしいもの、より生き生きとしたものにしていくのは、その人の感性と知性、個性です。

そして、ビジネスにおいてもマナーがすべてではありません。もっと大切なものは、その人の心そのものにあります。言葉や文化が違っても、真心や心からの笑顔は伝わりますし、お互いに、相手の内面や人間としての根っこを察することができるものなのです。ですから、たとえマナーで失敗したと思っても、あなたの気持ち次第でいくらでもカバーすることができます。

あなたの心をあなたの言葉とやり方で一生懸命に伝えることこそが、マナーです。そして、中国は、それが十分通じる懐の深い国です。あまり難しく考える必要はありません。等身大の自分でいいのです。また、なにせ、4千年の歴史を持つ国、そして商人の国ですから。付け焼刃はきかず、これまでの自分のすべてを見抜かれてしまうのが中国です。ですから、気負うことも、自分を大きく見せようと無理することも無駄です。当たって砕けてみてください。

失敗を含めて関わることそのものを楽しむ、それが中国とのつき合い方です。

 
縁起のよい数字

中国で断然縁起のいい数字は、八≠ナす。日本でも末広がりの八ですが、中国においても同様です。例えば、買物をして、88元8角など、8が並ぶと、店員さんが「あなた、縁起がいいね」とにっこりするという具合です。次いで、六≠ナす。六はリゥ≠ニ発音し、流≠ニ同じ発音であることから、商売が川のように滞りなく流れていくことを表すからです。

逆に、縁起の悪いのは、日本と同様四≠ナす。四はスー≠ニ読み、やはり、死≠ニ同じ発音だからです。

 
カジュアル接待

中国ビジネスにおいては、よく、宴会/接待のイロハについて言われますが、実際は、それほど大人数ではないカジュアルでフランクな宴会が多いように思います。

例えば、円卓では、上座に日本側の第一ゲストが座り、その右横に中心人物から順に座ります。中国側は、第一ゲストの左にホスト、次いで、地位の高い人物から順に座ります。通訳が、ホストのすぐ左隣にくることもあります。また、運転手さんが同席することもあります。

料理が来る度に、ホストが第一ゲストに勧めたり、あるいは箸で取り分けたりしてくれますが、第一ゲストが自分の皿に盛った後は、ぐるぐると回しながらそれぞれが取り分けていきます。これを何度も繰り返します。ひとつ注意したいことは、第一ゲストが箸をつけなければ、相手側の社員は箸をつけられないということです。ですから、遠慮せずに、第一ゲストは自分の分を取り分けましょう。また、時間が経つにつれ、ホストが先に箸をつけ、おいしいからあなたもどうぞ、と言う場合もあります。

乾杯は、何回か行われます。小さな杯で飲むお酒は、できれば一度は飲み干したほうがよいかもしれません。けれども、形だけ乾杯すれば、お酒の苦手な人は、無理することはありません。飲めないことをきちんと伝えれば大丈夫です。本当に飲めない人は、一口口をつけるだけでも差し支えないと思います。

魚料理の魚の頭が向いた者が杯を飲み干すというような、ゲームのようなことをする場合もあります。できれば、日本側にも、一人ぐらいは飲めるメンバーがいると盛り上がるかもしれません。けれども、中国の宴会/接待は、飲むことが主要ではありませんので、飲めないからといって失礼になることもないような気がいたします。

料理は、おいしいものがあれば、何度でも取り分けてかまいません。おいしい、とうれしそうに食べることもまた、立派な礼儀です。その土地の料理をほめたり、質問することも相手を喜ばせます。一般に取り箸はなく、それぞれが自分の箸で取り分け、あるいは取り分けてくれますが、これが中国の習慣ですので、これだけは馴染むようにしたいものです。

しばらく滞在する場合は、お返しの接待を行うとよいかと思いますが、時間がない場合は、行わなくても差し支えありません。

 
名刺交換のやり方

中国では、名刺交換そのものの歴史が新しいため、名刺交換の方法は、基本的には日本の流儀と同じと受け止めてよいと思います。「○○と申します。どうぞよろしくお願いいたします」と笑顔で言い、両手で相手に手渡し、相手のものも両手で受け取ります。宴会の円卓などで、相手が離れたところにいる場合は、中国人も日本人と同様、席を立って、順番に名刺を手渡しにくることもあります。そのときは、こちらも当然、立って応対しましょう。

難しく考える必要はないと思います。日本で行うのと同じ感覚でOKです。

 
握手のやり方

中国では、特に握手が習慣化しているとは感じられませんし、単に欧米を真似ているといいますか、とても儀礼的なもののように思われます。ですから、こちらから無理に行うこともないかと思います。ただ、あちらから手を差し出された場合は、握り返しましょう。特に、女性が求めてきて、男性がそれを受けないのは失礼に当たります。また、男性から女性に求めるのはマナー違反と言われています。

 
おみやげを手渡すタイミング

宴会等で相手が複数の場合は、会の終了後渡すほうがスムーズかもしれません。おみやげが同じものの場合は、一人一人に手渡さなくても、ホストにお願いしておくのもよいかと思います。また、相手が一人、二人で打ち解けて話す場合は、最初に渡して、親近感を表したり場を盛り上げるのも効果的です。その場に応じて臨機応変に対処しましょう。

 
支払いはどちら?

よく言われるように、中国には基本的にワリカンの習慣がありません。ですから、支払いのときに不便/面倒を感じる方も多いことと思います。けれども、割り勘の習慣のない中国において、スマートな支払い方、支払われ方は、そう難しいことではないように思います。

例えば、こちらが相手の本拠地に訪問して面談・商談を行うと、たいてい、相手がコーヒー代や食事代を払おうとしますが、これはそのまま受けてしまっても失礼ではありません。「私はここに住んでいるのですから」というのがあちらの理由です。ご馳走するということは、あちらの面子でもあり、こちらを立てることでもあり、もてなしでもあると思います。そういうときは、「ごちそうさまでした。今度日本へおいでの際は、ぜひ私たちに支払わせてください」と笑顔で言っておけばよいのです。その土地に本拠地を置くほうが支払う、という方法は理にかなっていると思います。

また、友人でも、ビジネスの相手でも、ある程度の期間滞在して複数回会ったり、その後度々会うという場合は、たとえ相手の本拠地であっても、「今回はご馳走させてください」と申し出ても問題はないと思います。

 
手頃な値段で喜ばれるおみやげ選び

おみやげ選びは、中国ビジネスの最重要課題の一つと言ってよいぐらい話題に上りますが、なにがよいのかは、永遠の課題かもしれません。そして、置時計や中国製を避けるなどいつくかのタブーを除いては、結局、予算と気持ちの掛け合わせだと思います。

いまや、日本製のものを探すのは至難の業とも言えるおみやげ事情において、予算2,000円〜4,000円ぐらいでしたら、男性なら煙草、女性なら化粧品ですと、免税店で購入できますし、無難だと思います。煙草は大量には持ち込めませんので、これといったおみやげが思い浮かない場合は、「奥さん/彼女/お母さんにどうぞ」と言って、男性に化粧品を渡してもいいと思います。

ドラッグストアであっても、中国製の化粧品はありませんので、年齢の若い人や気楽につき合える相手には、ドラッグストアの化粧品もいいですし、機内でめくった日本のファッション雑誌をそのまま渡しても喜ばれます。いまは、空港にもドラッグストアが出店していますので、搭乗前に購入することも可能です。また、化粧品で相手の好みがわからない場合は、基礎粧品にするとよいかと思います。基礎化粧品ですと、年配の女性にも対応できます。

若い女性の場合、日本人の好みや流行をそのまま持っていって間違いないと思います。「日本で流行っているのよ」と言って手渡すのもグーです。中国人ははっきりしていますので、「あなたの趣味はみんな好き!」と言われることもあります。その場合は簡単です。自分のほしいものを選べばいいだけですから。

男性へのおみやげはどうでしょうか。中国では、客に煙草を勧める習慣がありますので、煙草はいくらあっても困らないかと思います。また、中国人は強い煙草を好むと言われています。ビジネスの相手には、企業のノベルティのボールペンなども喜ばれるそうです。化粧品と並んで、文房具も日本製が圧倒的に多いですし、日本の文房具は優秀ですので、これも失敗が少ないかもしれません。予算が少し多めならば、ネクタイもよいそうです。男性のほうが女性より選択が難しいですが、例えば若い男性には、携帯ストラップはどうでしょう。携帯大国中国ですから、低予算でセンスとアイデアが生かされるおみやげになると思います。

ハンカチのような日用品は、たとえブランド品でも避けるべきという説が有力ですが、中国滞在の長い女性によりますと、日本製女性用大判ハンカチは、センスもありますし、スカーフ代わりにもなりますし、日本製であることが多いので、中国人女性に喜ばれるということです。また、中国人は日本の洋菓子を好まないとも言われていますが、実際は、日本のきれいな包装のお菓子は、家族向けなどにとても喜ばれます。キャンディー、チョコレート、クッキーいずれも、都市で売られている中国製や外国製より、日本のものはおいしいと思います。子どもには、文房具やファンシー雑貨も喜ばれます。

また、タブーではありませんが、中国人は日本茶を好まないので緑茶は避けたほうがよい、と現地中国人からおそわりました。

予算に余裕のある場合は、特に男性に対しては、日本のデジカメなどは圧倒的に喜ばれます。けれども、それが中国でそのまま使えるかという問題もありますし、3万、4万以上のおみやげを選ぶことは、一般的なビジネスにおいてはあまりないように思います。また、お世話になる人・お世話になった人に対して、なにを贈ったらよいかわからない場合は、フランクなつき合いならば、現金を渡すこともあります。旧正月にぶつかったときなどは、子どもやお年寄りにお年玉を渡すのもよいかと思います。その際、子どもでも100元単位となります。

逆に、中国側から渡されるおみやげで、圧倒的に多いのは中国茶、次いでお酒でしょう。けれども、お酒などは重すぎて、実際のところ迷惑というときもあります。言葉の書かれた置物なども、自分の趣味に合わなければちょっと困ってしまいます。フランクなつき合いの場合は、スカーフやニットの帽子、スーパーで売っているようなちょっといいお菓子をもらうこともありますし、ジャージャー麺の手作りタレの瓶詰めを持たされることもあります。

おみやげは、相手との交流を深める一つのきっかけとはなりますが、決定打ではありません。ビジネスにおいては、自分を有利にするために、初対面の相手に対して、無理して必要以上に高価なものを贈る必要はないように思います。それによって相手が自分をどれだけ尊重しているかを見るとも言われてきましたが、必要以上に高価なものを贈るのは、かえって、相手に取り入っているとか、自信のなさの表れと取られるような気もします。そんなことは長続きませんし、相手が本当に必要としているのは、こちらの能力のはずです。能力をおみやげで評価されるのも考えものです。おみやげは、なくてもよいけれど、あればなおいい、というぐらいの感覚でいいかと思います。

本当に仲がよい人や、頻繁に会う相手に対しては、時間と予算の都合でカットしてもかまいませんし、あちらもよけいなことに出費するなと言うぐらいです。予算に限りのある場合は、遠い関係から優先的に考えるとよいかもしれません。

おみやげ選びは中国ビジネスの難題の一つでもありますが、なにが絶対というものはありません。おみやげは心を伝える一つの手段にしかすぎません。ですから、あまり堅苦しく考えず、相手の性別や年齢、地位、あるいは趣味を踏まえて、相手の喜ぶ顔を想像しながら、自分の気持ちとセンスで選ぶことを楽しむぐらいの感覚でいいのだと思います。それを繰り返すうちに、きっと、難題も解決されてくることでしょう。

 
割り込みされたら?

中国人は、ときとしてルールを守らないことがあります。例えば、書店でもスーパーでも、レジに並ぶ列に、子どもでも女性でも、平気で割り込んでくることがあるのです。自分に非があっても、謝るどころか、自分を正当化して文句を言ってくる場合もあります。いい気になっている中国人には、キッと睨みつけるか、しっかりと文句を言いましょう。

中国語で負けそうならば、日本語でまくしたててもOKです。とにかく、中国では、あんまりよい子にならず、慎ましやかにならず、回りの目を気にせず、納得のいかないことにはきちんと主張することが大切です。主張しないでいると、相手のいいようにされてしまいます。

 
同性の外見をストレートにほめる中国人女性?

中国人女性は、例えば久しぶりに会った女性に対して、会った瞬間、ストレートに相手の容姿をほめます。これは、世代を問わないようです。彼女たちは、相手の美しさや若々しさ、また服装のセンスに対して、最大級の賛辞を送ることを厭いません。「だって、あなたがきれいだから一緒にいたいのよ」と言う人もいます。日本女性でしたら、能力や性格ではなく、外見にそこまで価値を置くことに、少々面食らってしまうでしょう。

また、初対面かつ目上の女性であっても、彼女の服装や肌の美しさをほめることは失礼にならないと思います。こちらが心を込めてほめれば、相手も顔をほころばせます。中国においては、女性同士でしたら、相手の外見・センスによいところを見つけ、素直に、ストレートに、思いっきりほめてしまうことが、きっと商談をはずませるきっかけにもなるはずです。

女性同士のほうがチェックが厳しく、またおしゃれに力が入るのは、何処も同じです。ですから、女性は中国ビジネスにおいても、自分の美しさ磨きには手を抜けません。

 
干支の話題

中国では、こちらが女性であるにも関わらず、初対面の男性からいきなり年齢を聞かれ、びっくりすることがあります。日本では、その時点で商談も不成立かもしれませんが(?)、中国では、大和撫子たるもの、決して怒ってはいけません。大人のオンナの余裕をもって、さらっと、にこやかに答えましょう。彼は、話題作りとして干支を知りたいだけなのです。十二支は、日中共通ですから。

例えば相手が卯や未で、自分が寅や辰であれば、「私のほうが強いですネ」、逆であれば、「お手柔らかにお願いしますね」とジョークで切り返せるといいですね。そうなれば、こちらの勝ちです。(中国では、ウィットに富んだジョークは、かなりウケがいいと思います。これによって、最悪の事態を免れることもあるぐらいです)

中国人女性は、日本人女性よりは年齢にこだわらないように思いますが、日本人男性が中国人女性に対して、同じように干支を聞いても差し支えがないかどうかは定かではありません。ビジネスの話題のとっかかりとして無難なのは、例えば景気や流行、気候、食文化などです。

 
女性の外見をほめない中国人男性?

これに対し、同じ女性を対象としても、中国人男性はその女性の外見をほめることはないように思います。10年のつき合いがあっても、お世辞でもほめてくれることはありません。相手の奥さんの容姿をほめることは、その奥さんに気があることを表すと言われる中国では、既婚・未婚を問わず、その女性の外見をほめることは、彼女に気があるということになってしまうからのようです。また、中国人男性は、すべての愛を恋人や奥さんに傾けるため、他の女性には冷たい、ともある本に書かれていました。中国人男性は、きっと、一途なのですね。

そんな彼らがほめるのは、専らその女性の能力や性格、人間性についてです。それに関しては、かなりストレートにほめます。

ですから、ビジネスの相手が女性である場合、男性は特に注意しましょう。日本ではビジネスの潤滑油となるようなことでも、中国では、ほめたつもりがセクハラ、気を利かせたつもりが彼女の恋人や夫に挑戦状を叩きつける、という悲惨な結果にもなりかねませんので。

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