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中国ビジネスマナー入門
中国ビジネスマナー入門 その7 2007 虎の巻

最近では、日本人が旅行、出張、駐在などで中国へ行く機会がぐんと増えました。いまや中国は、私たちにとって身近な国であると言えます。けれども、中国人と私たち日本人は見た目は似ているのに、どうしてこんなに違うのか、いったいどう付き合えばよいのかわからない、という声をたびたび耳にします。また、中国人は信じられない、という人もよくあります。

本当のところ、中国人はなにをどう考えているのでしょうか?近くて遠い国、中国なのでしょうか?近くて近い国、中国なのでしょうか?どちらにしても、中国人と上手に付き合っていけるかどうかが、人間関係がものをいう中国でのビジネス成功のひとつの鍵となることは間違いないでしょう。

そこで中国人の思考回路と習慣のナゾに迫るとともに(?)、私自身の経験をベースに、中国人と接するときのマナーを中国人を理解するという姿勢で考えてみました。

※ 2007/04 時点の情報に基づき記しています。

中国ビジネスマナー入門 その7 2007 虎の巻
中国で買う日本へのおみやげ 信頼と信用 おみやげ選び、私の定番
 
中国で買う日本へのおみやげ

お茶、お酒、お菓子、ジャージャー麺の手作りのタレ。大判のカバーやティッシュケースカバー、シルクのハンカチやスカーフ。セーター、Tシャツ、布。置物、飾り物、盾。人形、ぬいぐるみ。基礎化粧品。アクセサリー。書の掛軸三点セット。これらは、これまでに私が中国人からもらったおみやげやプレゼントです。けれども、その気持ちはうれしいのですが、正直なところ、これらのおみやげをどうしたらよいものか、いつも扱いに困ります。もらって本当によかったものは、書と料理のタレ、一部のお菓子だけだと思います。

まず、お茶はもらいすぎて消費しきれないのです。また、お酒は、銘酒でもない限り、味が落ちるうえに重く、ただでさえ、スーツケースは現地で購入した法律の本などで重いのに、時にはそのお酒のために重量オーバーになるなど、おみやげとしてはありがた迷惑です。また、その迷惑をいっこうに顧みず、これでもか、これでもかと持たせるのが中国人でもあります。お菓子は、どんなに高級でも、日本の味を超えることはまずありません。企業からもらった盾にいたっては、迷惑以外のなにものでもありません。けれども、いつかその社長がこちらを訪問するかもしれませんので、捨ててしまうというわけにもいきません。また、服や小物や文房具は、縫製や作りが粗末で使えないことも多いかと思います。

このようなわけで、不要なおみやげをあれこれもらいたくないので、最近は、ビジネスで行くときには、親しい人にはなるべくおみやげを持参しないことにしています。こちらが持っていかなければあちらもよこさない、ということがわかったからです。相手にも気を遣わせなくていいと思います。

私が自分もしくは家族・子ども用に中国から持ち帰るものは、現地の人が持たせてくれる手作りジャージャー麺のタレ、ネスレの中国向けキットカット(日本のものとはチョコとクランチの比率が違い、またおいしい)、スーパーやコンビニで売られている日本のお菓子メーカーの中国バージョン商品(例えばポッキーなど⇒名称もパッケージも日本のものと比べることができておもしろい)、外資の中国向けお菓子、スーパーで手に入る外資・日本メーカーの中国向けドラッグストア商品(例えばメンソレータムのリップクリームなど⇒日本の倍ぐらいの値段ですが、パッケージがトゥイーティーで、日本にないかわいさだったので)などです。

また、日本の漫画(「クレヨンしんちゃん」「名探偵コナン」「鋼の錬金術師」など)は、ずいぶん前から中国では人気で、中国語バージョンも各種あります。中国語版「ハリー・ポッター」も、もちろんあります。重くはなりますが、中国語の勉強にはおもしろいかもしれません。それから、これも重いうえに割れることが心配ですが、スターバックスでは、中国限定発売のカップがあります。

2007年春からは、街や空港で「オリンピックグッズ」も販売されています。キャラクターは、日本人には理解し難いセンスのなさですが、キャップやTシャツ、文房具、携帯ストラップは、実用的で値段的にも手頃、話題の提供になりますので、この期間はいいかもしれません。キャップで1,000円代、中国製としてはかなりちゃんとしていて、父が愛用しています。

私は、帰りの空港では、子ども用にいつもパンダチョコを買いますが、これは、いろいろなサイトや世間の噂によりますと、かなり不評のようです。単に油と薄いカカオが混ざっただけの物体で、食べられたしろものではない!と酷評されているようです。私の場合は、子どもがうるさくせがむので買ってくるだけで、たまに一つつまみますが、そこまでまずいとも感じません。中国的な味に慣れてしまっているのかもしれません。子どもたちも、なつかしい中国の味なのか(?)、いつも取り合いです。ちなみに、40代のある人は、「小さいときに食べた駄菓子のチョコに近い味かもしれない。たしかにおいしくはないね」と言っています。

免税店に数あるチョコレートの中に、たしか、キーウィかマンゴーかなにかの果物のクリームが入っているものがあるのですが、1箱24個と数も多く、味にうるさい母世代の女性たちからも、いまのところ特に不評は買っていません。

けれども、一般に、中国のお菓子やインスタント製品がおいしくないのは事実です。チョコ、ポテトチップス、アメ、月餅、ケーキ、パン、ジュース類、カップラーメン・・・どれをとっても、繊細な日本の味に慣れている私たちにはおいしく感じられません。ひとことで言えば、まずいということなのですが、味にセンスが感じられないのです。食にこだわる中国人ですが、なぜかこの分野では立ち遅れているのです。

そう考えますと、中国らしいおみやげとして持ち帰るものにはろくなものが見つからない、という結論になってしまいます。が、持ち帰り困難なものに、実は日本では味わえないおいしいものがいろいろあるのです。現地の人が作る水餃子などの料理、冷凍の水餃子(本物に近い味⇒日本では手に入らない)、素焼きの容器に入った飲むヨーグルト(故宮の回りなど観光地では目にします)、蜜柑(日本のものより小粒で甘い)、牛乳(真空パックの「蒙牛」⇒濃くて甘い)、現地では高級なおみやげとして売られているらしき四角にパッケージされたイチゴクリームサンドクッキー(かなり重い)などです。また、これも持ち帰るのが大変ですが、ホーローの洗面器などはキッチュで可愛いです。

思うに、お菓子やインスタントもの、そして服でもハンカチでも文房具でも、世界中で日本ほど質と完成度の高い国はないのです。日本ほど清潔な国もないのです。すべてが繊細なのです。それを当たり前のものとして享受している日本人が、同じレベルで中国のおみやげに期待することが間違いなのであって、私たち日本人の側に、その落差を楽しむぐらいの包容力と柔軟性が求められるのだと思います。

また、中国に長期あるいは度々滞在するのならば、そう贅沢も言っていられません。夜中にホテルに到着して空腹で眠れないとき、長い長い国内便の待ち時間など、中国製カップ麺やスナック菓子を食べることもあります。特にカップ麺はおいしくなく、中国の食文化に慣れているはずの私でも途中で放り出し、思わずおにぎりが恋しくなってしまうこともあるぐらいです。けれども、味・添加物・賞味期限すべてに不安があるとはいえ、食糧は大量に持参できませんので、やはりあきらめて慣れることも大事です。落ちる味を楽しむぐらいの心意気や、怖いもの見たさ、好奇心が必要なのだと思います。

このように、外から見る分には、世界を飲み込むようなすさまじい勢いで発展し続けている「怪物」中国ですが、おみやげ事情ひとつとってみても、そのレベルや意識の低さは否めません。こんなところからも、細部にまで行き届かない片手落ちの発展の様子や、先進国と呼ぶにはほど遠い内側の姿を、私たちは見て取れるのです。

ということで、これからは、パンダチョコをおみやげにして大顰蹙を買ったという苦い経験をお持ちの方は、会社や家庭用のおみやげとして、安全面・コスト面・重量面をクリアしたお菓子やリップクリーム、ハンドクリームなどの外資・日本メーカーの中国バージョンを配付し、日中文化を比較してもらう・・・という試みはいかがでしょうか。

 
信頼と信用

先日、中国人の招聘について、ある企業から相談を受けました。100%独資の現地法人を設立し、その総経理も務めている役員が、力を込めておっしゃいました。「私は、彼/中国人を信頼はしますけど、一生、信用はしませんよ」と。これからその「彼」を雇い、事業を開始しようというのに、です。

その方ともう一人の担当者の方は、これまでに何度も中国に赴き、様々な準備を進めてきました。そして、日本語ができて、彼らの通訳&片腕となる中国人を雇うことになったのです。直接はお話になりませんが、メールの文章からもお会いしたときの様子からも、お二人が中国人あるいは中国という国に相当疲れていらっしゃるであろうことがよくわかりました。役員は、「このあいだも行ってきたんですがね。胃が痛くなりましたよ」と続けます。

その「彼」はこう言ったのだそうです。「私は、日本のやり方のほうが合います」と。

このとき、私たちは、思わず顔を見合わせました。『日本のほうが合うという中国人ほど怪しいよね』と。そして、私たちは経験上、もともと日本語に堪能な中国人は、基本的には信用できないと思っています。それは、中国語のできない日本人に近づき利用しようとする人間があまりにも多いからです。

中国ビジネスにおいて、「信頼」と「信用」は、どう違うのでしょうか。その役員はなにが言いたかったのでしょうか。

彼の言った「信頼する」とは、その中国人に能力のあることは認める、能力は信じるということだと思います。これに対して、「信用しない」とは、自分たちのためにその能力を発揮してくれるとは信じられない、あるいは、人間としては信用できないということだと思います。そして、そこには、信用していないけれど、それをまたどうすることもできない、という疲労やあきらめが感じられます。

後で、ビジネスパートナーが私に言いました。「信用できる中国人がいてよかったね」と。

私たちのLLPの北京事務所は、私が11年前に中国に滞在していたときから親交を温めてきた地元の中国人を総代表としています。現在、彼は顧客のために日本語を勉強中ですが、もともと話せません。お金持ちでもなく、政府関係の人でもない、ごくごく普通の北京の庶民です。また、彼とは、細かい部分では考えや感覚の違いもずいぶんあり、ときには歩み寄りができなかったり、閉口してしまうこともあります。けれども、私たちは全面的に彼を信用しているのです。それはなぜでしょうか。

彼は、人間としての根っこが善良・誠実であり、聡明です。それを根底として、もともと、個人的な信頼関係が先にあります。彼と私たちは志や目標、夢を共有しています。こちらが1言えば10わかってくれる頭脳を持ち合わせています。そして、こちらの意図・意思を、中国という国/相手に合わせ、かつ常にこちらに有利になるよう伝え、動いてくれます。あらゆる場面で、中国人というものをどう見ればいいのかをおしえてくれます。彼は、まさに、私たちのために中国とのセコンド役=橋渡しをしてくれる人物なのです。もちろん、お金に関しても安心して任せることができます。これが、信用というものです。彼の能力も人間性も信頼しているということなのです。

11年前の北京滞在当時から、私は、中国人との信頼関係こそが、中国を正しく理解し、また、中国ビジネスを行っていくうえで最も重要だということ、そして、いつ、どう生かすかはわからないものの、とにかくすでにその武器だけは得たということを感じていました。けれども、努力あるいは苦労して得たわけではありませんので、それが財産だと思う一方、特別のものだという意識もまた、ほとんどありませんでした。

ところが、先のお二人のように中国/中国人に疲れている人たちをあちらこちらで見聞きしていますと、自分の築いたこの関係は実はとても稀有なものであり、もしかしたら、中国人と本当の信頼関係を築くこと自体、奇跡に近いのかもしれない、そして、それこそが中国ビジネスの最大のネックなのかもしれない、とつくづく思うのです。

日本の数多くの中小企業が、資金や技術、また志や情熱はあっても、やがて中国と中国人に疲れ果ててしまうのは、この橋渡しをしてくれる人物に恵まれず、本当のことがなにも見えないまま、中国人のやり方とペースに翻弄されてしまうからです。日本の中国進出に欠けているものは、まさにこの橋渡し役なのです。けれども、その出会いが奇跡だとしたら、中国に進出しようとする企業のほとんどは、永遠にその闇から抜け出すことができません。

この暗澹たる問いかけに応えるべく、自分たちが得たような橋渡し役を育て、企業に派遣することが、いま、私たち独自のビジネスになっています。お金よりも有力者とのコネよりも、言葉よりも商習慣よりも、法律よりも手続よりも、中国ビジネスに求められるものは、「人」なのです。中国人との本物の信頼関係なのです。

逆に、これさえあれば、どんな可能性も切り拓くことができる、成功に到達できる、夢が現実のものとなる・・・それが、中国なのです。

 
おみやげ選び、私の定番

何度となく書いてきたおみやげ選びですが、最近の私の定番は、初対面の男性には煙草(強めの外国製⇒中国人は強い煙草を好みます)、女性には基礎化粧品セットです。

これら二つを定番としている理由は、以下のとおりです。

  1. 値段が手頃
  2. 出張当日に免税店で、または最悪機内購入も可能
  3. 消耗品なので、相手の好みに合わなければ他の人に譲ることもOK、相手も気楽
  4. 日持ちする

相手がどう思っているかはわかりませんが、その瞬間、男性・女性とも顔をほころばせますし、少なくとも気分を害していることはなさそうです。いずれは、法人のノベルティ・グッズとして、センスのいいボールペンなどを用意したいと考えていますが、それまでは、とりあえずこの二つを定番としてやっていこうと思っています。

また、買物好きの私としては、一度会ったことのある人の場合、特に女性には、次の機会にはその人に合ったものをあげたくなります。例えば、あの女社長にはこんな色の口紅が似合いそう、せっかくのスカート・スタイルでも、日本人から見ればセンスのない肌色のタイツをはいていたこちらの女社長には、ちょっといいストッキングをプレゼントしようかな、あの秘書の女の子は感じよかったから、なにかあげたいな・・・などなど。

これに比べて、男性の場合、手頃な値段で渡せるものが少ないので少々面倒ですが、奥さんがいるとわかれば、二度目には奥さんへのおみやげや、家族用にお菓子でもいいわけですし、いつもワンパターンの外国製煙草でもかまわないわけです。

また、二度目以降は、期間があいたときのみ、あるいは度々会う場合は、何度かに一度渡せばいいのではないかとも思います。

視察や商談では、通常、相手側は数人になりますが、たとえ省政府の役人との面談であっても、事前に連絡をとっていても、中国では、実際のことは行ってみないとわからないというところがあります。きりがありませんので、こちらの目的がトップとの商談である場合には、その人の分のみ用意します。実際に面会してみると、回りの人がトップの片腕である場合もありますし、単に部下であることもあります。予定外にお世話してくれた人が現れる場合もあります。その状況をよく見て、重要人物に対しては、必要であれば、次回その人の分も用意すればいいのです。その際は、必要に応じてトップとの差をつけます。

そういうとき、やはり、かさばらないノベルティ・グッズがあると、やはり便利だと思います。数多く持参することも可能ですし、トップにのみ、さらに違うものを加えればいいわけですから。

いずれにしても、私の場合は、ビジネスだからといってあまり堅苦しく考えず、無理せず続けられるよう、中国側がどう思おうと、等身大でいくことをモットーとしています。喜んでくれなくとも、悪い気はしないと思ってもらえれば十分、という程度に考えています。大切なのは、ビジネスそのもののはずですから。

また、予め会う約束をしていた場合、相手もおみやげを用意していることもありますし、用意していないこともあります。一般的にはもらわないことが多いので、その意味でも、あまり相手に負担をかけないおみやげ選びが、ビジネスではスマートではないでしょうか。

さらに、こちら側の中国人スタッフやその家族など、ごく親しい人たちには、会う度に渡しているときりがありませんので、カットすることもあります。けれども、こちらが用意していかなければ、あちらも返さなくて済みますし、こちらも規定をオーバーしそうなぐらいの重い荷物を持ち帰る必要がないので、そのほうがかえって面倒がなくてよいと思うぐらいです。ごく親しい人には、何回かに一度渡せば十分なのではないかと思います。毎回渡すにしても、一人一人にではなく、家族用にお菓子一つでいいのではないかと思っています。

個人的なおみやげとしては、家庭用には日本のお菓子(チョコレートやクッキーの詰合せ)は、味も缶や箱、ラッピングも最高峰なので、自信を持って手渡すことができます。子どもには、日本の菓子メーカーのお菓子もよいと思います。「ポッキー」や「コアラのマーチ」などは、現地スーパーで中国バージョンが販売されていますので、おもしろいと思います。若い女の子には、キティちゃんグッズ(日本製のもの)なども喜ばれます。また、ドラッグストアで購入できる比較的手頃な日本メーカーの化粧品等も喜ばれます。

センス、値段、日本製、購入しやすさ、持ち運びの便というすべての点において、お菓子、文房具(実用的なもの、しゃれたものともにOK)、小物、ドラッグストア製品はおみやげとして最適だと思います。

中国ビジネスにおいては、おみやげ選びが最初の難関のように言われていますが、度々行き来するようになりますと、その気合も薄れてきます。ビジネスそのものの準備だけでも時間が足りない中、おみやげ選びにばかり時間をかけていられませんし、慣れると、よい意味で肩の力が抜けてくるのです。おみやげ選びもマナーも、実際は、よく言われているよりももっとフランクかつカジュアルであっても、気持ちは十分通じるし、決して失礼に値しないのではないか、というのが私の実感です。

ビジネスでおみやげを用意すること自体が相手に対する尊重・敬意の表れですので、それだけで本来十分なはずですし、熱意や誠意、敬意は、品物ではなく、やはり自分の中身や態度、表情、話し方そのものに表れてくるからです。また、持参していくべきものは、自らの能力だからです。

21世紀的中国ビジネスにおいては、おみやげはあくまで最初の潤滑油と受け止め、おみやげ選びやマナーのイロハにあれこれ頭を悩ますよりは、なるようにしかならないと開き直り、それよりは、相手になにを提供できるか、その能力を磨くことにより時間を費やすことのほうが肝心です。

中国では、ときには、「石橋を叩きもせずに渡り始める」ぐらいの大胆さや大らかさが必要です。おみやげ選びにおいて取り返しのつかない失敗は、そうそうありません。ですから、気楽に構えていきましょう。

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