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だいたい、粉は薄力粉か強力粉かもわからない(強力粉の袋には用途として「(焼)餃子の皮」とあります が、両方試してみると、どうしても薄力粉の方が本場の感触に近いのです・・・ということは水餃子と焼餃子では、皮に使う粉が違う?)まま作っていたのですから、
いいかげんなものです。
それから、日本のお店で食べる水餃子は、たいてい中国のものとは全然違います。まず、皮の感触が違うのです。適度な厚みと弾力性。とろけるような柔らかさ・・・。
皮は絶対に「プルプル」でなければいけません。この「プルプル感」が命です。純真無垢な「赤ちゃんの耳たぶ」のようにです。(こればかりは「微妙なお年頃の耳たぶ」をもってし
ても代用がききません。どんなに純真でも、赤ちゃんを超えることはできないですものねえ。)
「ねえ、哥哥。皮って、たしか「面粉(ミエンフェン)」 を使うんだよね。面粉って、小麦粉? それとも強力粉?」 「小麦粉だよ。」「やっぱり!」
やっとひとつノドのつかえがとれました。 そうだ、よく考えたら辞書を引けば簡単に解決できたんだ、とたったいま気がついた私は、どこまでいっても果てしなくとろい・・・。
「さ、まりつ、皮を作ってごらん。餃子の作り方をマスターするんでしょ?」「そうなの。これも今回北京でぜったいやりたいと
思ってたことのひとつなの。でも私、上手にできないなあ。まずみんなのを見てからにする。いい?」
「じゃあね、よーく見ててごらん。・・・ほら、こうする んだよ。」と初めにお兄さんがお手本を見せてくれます。
中国の北の方では、春節(チュンジエ:旧正月。今年 は2/16)に水餃子(シュイチャオズ)を家族そろって作って食べる習慣がありますし、男の人でも餃子は
(皮作りを含めて)たいていできます。お兄さんは右手で麺棒を転がし、左手で皮を回転させながら、実に器用に皮を丸く延ばしていきます。
水餃子の中身はいろいろです。 この日のは、豚挽肉、白菜、韮が主で、あと薬味・味付けとして葱、卵、生姜、塩、味の素、芝麻油(チー
マーユ:胡麻油と似ていますが、もっと軽い感じのもので、北京の人はありとあらゆるものにこれをかけます。 日本の醤油感覚だと思います。北京には胡麻油というものはないと思います。日本ではこの芝麻油を見かけることがないように。)
などを入れていました。これにエビのすり身を加えることもあります。
これらをいっしょうけんめいこねることはしません。箸で混ぜるだけです。日本の餃子より、タネを初めから塩辛くします。というのは、食べるときに日本では必ず醤油をつけますが、中国では酢に少し醤油の入ったようなものをつけるだけだからです。ラー油は好みによってです。
私は豚肉+白菜というシンプルなタネが好きですが、 餃子屋さんに行くと20〜30種類ぐらいメニューに 並んでいます。
野菜はもちろんのこと、肉の種類も豚・牛・鶏・羊と いろいろなうえ、卵(ゆで卵)とトマトとか、茄子と椎茸 とか、日本人から見たらウソのような、およそ餃子にはミスマッチとしかいいようのない素材と大胆な組み合わせで登場してきます。
それから、餃子は主食です。 ですから、餃子といわゆるごはんをいっしょに食べることはないようです。 餃子と麺をいっしょに食べることもありません。
中国では、餃子は堂々たる主食の地位を確立しているのです。
タネは、材料さえわかれば私にもできます。 問題は皮作りです。
小麦粉に「少量の水」を加えて「適度に」こねます。これを間違えますと、グルテンができてドロドロ・ベタ ベタになってしまいますので注意が必要です。それを、できれば20分ほどねかせます。
適度な硬さと柔らかさ=弾力の感じられれるの理想です。
粘土遊びを思い出し、童心に帰ってクルクルと楽しく棒状に延ばします。 それを、金太郎飴のように、包丁でプツンプツンと切っていきます。
切った後のひとつひとつの大きさは、かなり大きな飴玉 ぐらい(=「小梅ちゃん/小夏ちゃん」の大玉ぐらい)でしょうか。皮は小さめに作りますから、そのくらいで十分なのです。
というのは、茹でることによって膨張するからです。 水餃子のできあがりは、「ほおばり状態で一口サイズ」 がベストです。
ここまでは、試行錯誤の末、すでに日本で学習済みです。
ここからの、一枚一枚皮を延ばすという作業が難しいのです。 無器用な方法でもいいのなら、誰にでもできます。でも、できれば中国人のように、一枚につき2〜3回転、2秒ほどで鮮やかにいきたいものです。この「鮮やかさ」がポイントです。扉のない(ときとして仕切りもまったくない)トイレが
習慣となり、鮮やかな手つきで餃子の皮が作れた ら〜♪、これであなたも立派な中国人。
そしてそのどちらも修行が必要です。(お料理中にトイレを持ち出してすみません。でも、 中国式トイレがなんでもなくなったとき、私もついに
中国人になったわ! と本気で思いました。・・・トイレの話につきましては、後ほどまた出てきます。)
まな板は大きめ、麺棒は短めです。くっつかないように、ときどき小麦粉をまな板の上に振ります。中国兄のワザは、悔しいけれど認めざるをえないくらいみごとです。
「さ、まりつ、わかったでしょ? やってごらん。」
「うーん、いまいちわからない。飛飛、先にやって。」
見てる分には、ああ、ナルホド、と思うのでうが、実際 に自分でするとなるとなかなかうまくいかないので、 躊躇してしまいます。飛飛は、父よりキャリアがない分、ちょっとスピード
は落ちますが、やはり器用に作っていきます。 「こうして、こうして・・・。ね、わかった?」 「う〜ん。」
でも、いつまでもやらないで腰抜けと思われてしまう のは日本代表として不本意ですので、さあ、勇気を 出して(?)挑戦です。「あー、まるくならない!
・・・三角になっちゃった。」 ひとつにつき1分ぐらいかけても皮になりません。 麺棒を転がすのが虚しくなってきます。
左右の手の働きがうまくかみ合わないのです。 う〜ん。
「それでいいんだよ。」「上手にできてるじゃない。」
まりつにやらせておいたら、明日の朝になっても食べられないよね・・・きっと心の中ではみんなそう思っているくせに・・・!
ほめて励ましてくれるあなたたちはなんて子育て上手。あまりに遅々として進まないわりには疲れだけはいっちょまえのまりつ(空しい手つきだからこそ疲れるのです)に代わって、姐姐がやってくれます。
さすが中国4千年的家庭主婦!! みごとな手つきです! 鮮やかです!
「やっぱり姐姐がだんぜん速いネ!」「そう? 僕だよ。」 息子にも妻にもいろんなことで対抗意識を燃やす幼い哥哥。
「そうだ、この餃子を作ってる場面も写真を撮りたいな。哥、ねえ、撮って撮って!」
私は写真を撮るのが大好きです。 ややこしいカメラは使えませんが。 北京へも、フラッシュつきインスタントカメラ(ダイエー
製SAVING商品)を2本持ってきました。
「みんなで餃子を作ってる自然な感じがいいな。」
「よし、わかった。いい? 撮るよー。はい、笑一笑! (シャオイーシャオ:笑って=私たちが言う「チーズ」の意味)」
「・・・お父さん、フラッシュが光らなかったよ!」「えー、そんなはずないよ。おかしいな。これ、ちゃんと巻けてるの?」「うん、ちゃんとなってるよ。哥哥のやり方が悪いんじゃないの?」「そんなことはないよ。ちゃんとやったよ。」
もう一度やってもフラッシュが光りません。
「お父さん、押し方が悪いんだよ。もっとゆっくり押す んじゃないの? お父さんは早く離しすぎるよ。そうだよね?」と私に同意を求める飛飛。「そうそう。」「そう?」「そうだよ。」「じゃあ、もう一度やってみるか。」
ところが・・・。何度やっても光りません。撮られる方も、空しい笑いに疲れてきてしまいました。
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