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「まりつ、今日はもうひとりうちに来るよ。」 「え、誰?」
「飛飛の従姉妹、家内の姪だよ。ここのわりと近くに住んでいるんだよ。火曜日は授業が早く終わるから、よく来るんだ。きょうは火曜日でしょ?
なー、おい、シンチン(シンは姓ですが、この漢字が出ません。チンは名で、“静”です)は今日来るよなあ? 」
「ええ、たぶん来ると思うわ。」 「わぁ、早く会いたいなー。」
新しい出会いがあると思うとわくわくしてきます。
「きっとまりつのこと好きになるよ。」 「そうかなぁ。そうだとうれしいけど。彼女はいくつなの?」 「高校生。16か17だよ。」
「僕より3つ下かな。」
いいねぇ、みんな若くって。
まりつもついこのあいだまで(?)高校生だったんだけどなー。ま、いっかー。まりつのココロは永遠に女子高生だから。
でも、その日に限ってシンチンはなかなか来ません。せっかくのチャンスだから私に会わせたいのでしょう、GGはついに電話までしました。「シンチン。早く来なよ。このあいだ話しただろう?
日本から来たまりつが待ってるんだよ。」 GG、いいヨ。まりつはそんなたいそうなものじゃないから。
お待ちかねのシンチンが息を切らせてやってきました。男の子のような短い髪に、血色のいいつるんとしたほっぺ、礼儀正しくて、元気で気さくで、とても感じのいい女の子です。首に結んだスカーフで、おしゃれしてきてくれたのかもしれません。なんというか、日本の「コギャル」のようにおじさんくさくありません。どこから見ても正統な高校生です。フェイフェイやシンチンだけではなく、中国の中高生ぐらいの子はみな、このように健康的で純な感じです。
私たちは、すぐに打ち解けて話しはじめます。「シンチンのチンはドラえもん(中国でブレイク中)のしずかちゃんと同じだネ。(しずかちゃんはひらがなだけど、たぶん意味としてはこの字でしょう)」
「そう、だからウレシイ、あの子は小静(シャオチン)って呼ばれてるの。」
「ドラえもん好き?」
「大好き!」とシンチン。
「でも、あの歌、日本語だから何言ってるのかわからないよ。」とフェイフェイ。
「まりつにまかせてよー。歌うヨ。♪・・・意味はね・・・・・・。」
「ねえねえ、フェイフェイ。この本・・・これって日本の“ダウンタウン”だよねぇ? なんで この人たちここにいるの?」
「有名なんだよ。話し方の極意の本として。役に立つよー。」
「おーおー、中国じゃダウンタウンが話し方の老師(ラオシー:先生)になってしまうんだね。詐欺だね、こりゃ。」
「ふたりは偉大だよ。尊敬しちゃうよ。」真顔で言うフェイフェイ。
だいたいこんなとりとめのない話題から、日中文化交流はいつもはじまります。 今日のお昼は姐姐が腕によりをかけて作ってくれた豪華版!麻辣豆腐(マーラードウフ:麻婆豆腐とほぼ同じ)、魚の煮たもの(魚は包丁ではなく、鋏でおろします)卵とトマトの炒め物、チンゲン菜の炒め物というメニューです。
まりつはこの中で、麻辣豆腐とトマト卵が特においしかったです。トマトというと、日本ではサラダが一般的ですが、中国ではこのように炒めたり、またスープの具にしたりします。いつも卵とセットのようです。
「ああー、どうしてジエジエのお料理はいつもこんなにおいしいの?」
「そおーんなにおいしい?」
「うん!ワタシ、ジエジエと味覚が合うの。ジエジエの作ってくれたものなら、きっとなんでも好き。」
「じゃ、私、まりつといっしょに日本に行っちゃおうかな。毎日作ってあげるわよ。」
「うん、来て来て!日本では、こういう本当の中国の家庭料理のお店ってないの。ぜったい流行ると思う。」
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