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「GG・・・ここのはおいしくないね。おなかぺこぺこだったのにな。しょっく。」 (妥協したのが悔やまれるよ)
「そうだね、材料も新鮮じゃないし。作り直してもらおう。」なんと、中国のこういった食堂では、味に文句を言えば作り直してくれます。(GGはよくやっています)お店の人は別にいやな顔をしません。
こういうところが、中国の良さというか大らかさです。味に対するこだわりは、さすが四千年の歴史を誇る国です。 日本には、味が気に入らないから作り直してもらうという発想自体、きっとないでしょう。でも、中国では、料理の批判をしたことでお店や人の批判をしたとはとらえません。気まずくはなりません。お互いに淡々としたものです。
(これがオトナ同士のつきあいというものだねぇ、しみじみ・・・)
さきほどのカップルが、注文した品にたいして手もつけず、ふたり連れだって出て行きます。 (あーっ、なんてことするんだろうね、バチ当たりだよっ!)でも、中国では、食べられないほどたくさん出すのが礼儀とされています。だから、残すことは礼儀でもあるのです。ということは・・・なにがなんでも残さないまりつは、中国人に恥をかかせていることになるの?
作り直したものが運ばれてきましたが、あまり味はかわりません。得体の知れないヤシの実ジュースを、GGが私のために頼んでくれました。
「あ、ありがとー。」 笑顔がひきつるまりつ。
食事をしながら天津でのことを振り返るうちに、ラスト・オーダーの3時になりました。
「もう遅いし、まりつも疲れただろうから、そろそろ行こうか?」
「うん。GGも疲れたでしょ。きょうは本当にどうもありがとう。姐姐によろしくね。」
「なんでありがとうなんて言うの? 僕たちにそんな他人行儀な言葉は必要ない。当たり前のことをしただけだ。」GGはやさしく笑いながらそう言います。
もう顔なじみになった赤い制服のホテルの警備の人たちが、笑顔で話しかけながら出迎えてくれます。
彼らもまた、いなかから出てきてこの都会で働いているのです。みんな背が高く、礼儀正しく、素朴な感じです。大勢のこうした人たちで、北京の街は機能しているのです。
さきほどのお店の女の子は、お客が帰ったあと、積み上がった洗い物(ときにはシャンプーで洗います!)を片づけているのでしょうか。
そして掃除をし、さらに夜が更けた頃、食堂のテーブルを並べたものをベッドに(都会に出てくることはできても、そこに住む自由のない中国では、このような食堂で働く若者たちはみんなこうです。夜遊びをしていた?まりつは、実際にこの光景を見たことがあります。軽いショックを受けました)、故郷への想いを枕に、彼女はつかの間の眠りにつくのでしょう。
そして、北京の街も・・・。
つづく
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