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末っ子のウーは、喘息持ちです。生後数ヵ月でアトピー=アレルギー体質だとはわかりましが、北京の協和病院で「おそらく喘息でしょう。」と診断されました。
そして喘息坊やウーは、わずか7ヵ月の滞在でなんと4回も入院したのです。
最初に入院した協和病院でのことです。
もともと、血管が透き通って見えるぐらい肌が白く薄く、幼いゆえにその血管も細く、点滴の針がささりにくいウー。外国人病棟の看護婦さんが何度やってもうまく針がささりません。2回、3回・・・5回、6回・・・!
どの看護婦さんがやってみても同じ。
ちょっとー、ウチのウーになにするの!?
手の甲を紫にして泣き叫ぶウー。あんまりだわ・・・!
いくら赤ちゃんの手に針をさすのが難しいとはいっても、看護婦さんでしょ、プロでしょ。いったいウーはどうなるの? なんとかならないの?
中国の医療レベルに対する不安がピークに達するころ、一筋の光明が・・・!
えー、そんなぁ。
中国では赤ちゃんは頭に点滴をするとはちらと聞いていましたが、まさかね。でも、ついにウチのウーにもそのまさかの時が!
あるとき病室に戻ってみると、ウーのおでこに点滴の針が刺さってる!
我が子の頭に点滴の針のささっている光景は、なんとも痛々しく、愛らしく、またこっけいでした。
ウーの眠っている夕暮れ時、ベランダに出てみて北京の景色を見渡すと、沈もうとしている太陽に染められて、空が朱色にも似た暗い桃色に変わっていくところでした。その桃色の空に浮かびあがる故宮。一方では近代的な高層ビルやマクドナルドの“M”のマーク。同じ空間にある過去から未来につながる歴史の間を自由に行き来する鳥。ああ、これが中国、北京なのだなあ。滞在して1ヵ月、はじめてじっくりと眺めた北京の風景でした。
晩春の夕暮れに静かに映し出される幻想的な北京。この温かく心地よいなつかしさは、いったいどこから来るのだろう。そう、それは自分の遠い記憶の中でたしかに見たことのある風景。中国がこんなにも私たち日本人になつかしさを感じさせるのは、きっと私たちの民族の歴史がその中でつながっていたからなのだと思うのです。そして自分の中に無意識のうちに息づく祖先の魂が、中国に触れたときに再び揺り起こされるのでしょう。
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