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5.ブーの通った北京日本人学校
2000/2/20

長男のブーは、記念すべき小学校入学を北京で迎えました。「在中華人民共和国日本国大使館附属北京日本人学校」、通称「北京日本人学校」の小学部です。日本人学校は、北京の街の真ん中からは少し離れた朝陽区にあります。

よその国の日本人学校の様子はわかりませんが、北京日本人学校の内容は、日本の公立の小中学校とほぼ同じだと思います。先生は、日本の公立校から派遣されてきます。入学式や授業の形式も、参観日があることも同じです。決まりだったのかどうか忘れてしまいましたが、中国にいながらランドセルをしょいます。

連絡帳に、「しゅくだい」は「しゅ○(○の中に"しゅ")」、「もってくるもの」は「も○」などと書き表すのだって、日本の国公立の小学校と同じです。でも、あまり大きな声で言ってはいけないのかもしれませんが、北京でも、大阪でも、埼玉でも、どこへ行っても同じようにそのマークを使うように画一に指導される日本の教育って、なんかちょっとこわいなー、と思うのです…なにごとにもアバウトなブーフーウー母としては。

一方で、日本の小学校と違うところもいろいろあります。

正門には、いつも背の高い若い中国人の警備員さんがふたりいます。外部者は、事前に学校に連絡をしておかないと入れません。そして、子どもたちは全員が通学バスか車で登下校することになっていたと思います。遠いこともありますが、治安を考えてのことです。バスは、それぞれの日本人向けマンションが出しているようでした。車の場合、親が同乗するか、決まった運転手さんであることが要求されます。

車は少数派です。ブーのクラスでは、ブーともうひとりの男の子だけでした。ふたりは、日本人のほとんどいないマンション(=専用バスがない)に住んでいたからです。

北京日本人学校校旗

朝8時。

冷たい母の私は、時間が来てもまだぐずぐずしているブーをほっぽり、フーとウーとともに先に下へ降りてしまいます。受付の女性たちとあいさつをかわし、話しかけられたフーもカタコトの中国語で返事をします。外へ出て警備員さんともあいさつをかわします。

初めは「ニイハオ」を言うのも恥ずかしいのですが、慣れてくると、外国で外国語を使う生活は、とても自然で気楽です。その国の言葉を発することで一歩溶け込めたとき、私は、日本にいるときよりも生き生きとしている自分を感じました。

迎えに来てくれている中国人の王さんと話しながら、荷物とフーとウーとベビーカーをぽんぽんと順々に車に詰め込み、そうこうしているうちに、やっとブーがあくたれながらやって来ます。

こうして私たちの毎日は始まるのでした。

毎日学校へ行きますから、警備員さんとは自然に顔見知りになります。そして、やはり不安がないとはいえない異国で、彼らにブーが私の子どもであることを覚えてもらえることは、それだけでひとつの安心につながるのでした。

また、彼らと話すことも楽しみでした。通学バスで子どもだけが登下校するよりも、その分ちょっぴり多く中国に触れることができたのではないかと思っています。日本語の勉強をしていると言っていた彼ら。礼儀正しく、笑顔のさわやかなふたりでした。

ブーたちは、毎日が遠足ルックです。給食がないので、お弁当と、そして水筒を持って行くからです。生水を飲むことは禁じられています。治安と並んで衛生面も、外国人として最も気を使わなければいけないことのひとつです。神経質になりすぎる必要はありませんが、油断は禁物です。いつも心にとめて生活したほうがいいかと思います。

  北京日本人学校中国語教科書

さて、いくら日本の学校と同じと言ってもそこは中国ですから、1年生でも週に1回、中国語の授業があります。主に会話です。そのテキストがなかなかグーなのです。これを一冊マスターすれば、日常会話はほぼOKだと思います。

何年生から始まるのか忘れてしまいましたが、英語の授業もたしかあったと思います。ですから、これらの語学の授業のために、日本の学校より授業時間数が少々多くなります。

また、スポーツの親善試合などを通しての他国の学校との交流も盛んです。

そうそう、私たちの滞在中、この北京日本人学校で保護者向けに、あの皇太子妃雅子様の妹さん(ユニセフの職員として、中国でご活躍中でした)の講演会も行われました。

少人数なので、運動会は小中学校合同です。それに、親もほとんど強制参加で100m走や綱引きをさせられますから、なかなかの迫力モノです。ただし、親のほうは翌日は筋肉痛or腰痛ですが…。

高学年と中学生の組体操のテーマは、北京あるいは中国にまつわるものです。そして、自分たちがここ北京で学んでいることへの誇りと、中国への感謝と友情を表しているようで、ちょっと感動的でした。このくらいになると、子どもたちは自らそれを感じ取っていくようです。

このように、中国で学校に通うという貴重な経験を通して、常に国際人としての意識のもとに教育の行われることが、北京日本人学校の最大の特色です。

そして、遠足や修学旅行のスケールのダイナミックさは、中国ならではです。修学旅行は、小学部5・6年生と中学部全学年が対象ですので、中には5年連続で中国のあちらこちらへ行くことのできるラッキーな子もいます。私たちが滞在していた1996年度の修学旅行は"西安"、そして小学部1年生の春の遠足は、なんと"万里の長城"でした。

ブーが北京日本人学校へ通ったのは1年生のわずか半年ですので、記憶も思い出もあまりないようなのですが、そんな彼の自慢話は、家族で唯一"万里の長城を歩いて登って死ぬほど疲れた"ことです。

そして、「宇宙から見える建物は、地球上で万里の長城だけなんだよ。」と、物知りハカセよろしく人に説明しますと、たいていの大人は感心してくれますから、もともと大きめの鼻の穴をさらにふくらまして喜ぶブーです。

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